専攻長からのメッセージ
-
2012年4月1日
ご挨拶
自然環境学専攻長
木村伸吾自然環境学専攻は、自然環境の成り立ちを単なる基礎科学の一分野として探求するものではなく、人類がいかに自然環境の中で共生していくのかとの観点から、自然界の普遍の原則を包括的に解明することを目的としています。したがって、専攻内の構成は、陸域環境学コースと海洋環境学コースに分けられてはいるものの、地理的に二分して学問を進めようとするものではなく、学際領域の学問分野である自然環境学にアプローチする端緒としてコースの役割があるに過ぎません。つまり、山、森、川、海、地底といった連関の中で研究が進められているのであり、人間にとっての自然環境とは何かを包括的に探求する専攻といえます。このような専攻の特徴をより明確に学生教育に反映させるために、今年度より教育カリキュラムを全面的に改定し、陸域、海洋を包括する選択必修科目である9つのコア科目を中心に講義を行うことになりました。これにより学生に習得してほしい基礎および高度な知識が体系的に涵養できるものと確信しています。
東日本大震災によって引き起こされた様々な事象は、自然環境の中での人類の共生がいかにあるべきかを問うており、さらに海と陸と空との一体的な理解が人類の繁栄に必要であることを改めて示しました。つまり、自然環境が果たすべき役割を探求し、それを持続可能な社会の活用に貢献していくことが我々に課せられた使命であるといえます。そのためには法体系や社会経済を含めた幅広い知識に基づく説得力ある交渉能力を身につける必要がある一方、非常に狭い学問分野であっても一筋貫いた研究の達成が必要です。専門分野でしっかりとした礎を築いてこそ、初めて幅広い知識が生きてくるからです。これから入学を希望する方々を含めた学生諸君には、幅広い知識を屋根とするならばそれを支える柱となる専門分野での高度な知識の両方を身につけるべく、楽しい学生生活というよりも自分を律して学問にいそしんでほしいと思います。
大学が果たすべき役割は教育だけではなく、得られた知識の社会に対する情報発信と啓発も重要な責務です。国際的な専門誌や学会で研究成果を発表することは言うまでもありませんが、一般社会からの問い合わせに対しても真摯に対応し、さらには社会から問題解決に向けて要請が強い研究テーマにも幅を広げて、その負託に応えられるよう日々研鑽に務めているところです。人間の生活環境という視点から自然環境を捉えている特徴ある自然環境学専攻の今後に興味を持って頂き、継続してホームページなどにアクセスして頂ければ幸いです。
